化粧品OEMをご存知ですか?

成長著しい化粧品業界の活況に後押しされて、「化粧品開発をしたい」「オリジナルブランドを立ち上げたい」と考える企業様、サロンオーナー様も多いと思います。しかし、今まで化粧品製造に関わったことのない方が、自ら業許可を取得し、工場を設立し、画期的な化粧品を開発するには莫大な資金と手間がかかります。決して容易にできることではありません。 そんな「化粧品業界に参入したいけど、難しそう」と考えている方々にとって強い味方になってくれるのがOEM会社です。でも、「OEMって何?」「OEMで本当に良い製品はできる?」と不安に感じている方もいると思います。このような方々のためにOEMについて解説します。

● そもそも、化粧品OEMとは?

ドラッグストアやコンビニエンスストアには様々な化粧品が並んでいます。しかし、これらの化粧品がどのように製造されているか知っている人は少ないのではないでしょうか?  自社工場を備える大手企業などは自社の製造ラインを使用できますが、中小企業は自社工場を保有していないケースがほとんどです。 では、このような企業はどのようにして化粧品を製造しているのでしょうか。 その答えが「OEM」にあります。

化粧品の製造を代行します!

OEM(original equipment manufacturer)は、商品を自社で製造できない会社の代わりにOEM(製造受託)会社が製造を代行することです。パッケージから製品まですべて製作できる会社から、バルク(製品の中味)だけ製造する会社など、様々な業態があります。大企業など世界的に商品を販売する会社は自前の製造工場を持っていますが、ニッチ分野を狙っていたり、資金力が乏しかったりする中小企業は所有していません。またOEM会社は、法人でなくてもサロンオーナーなど個人が製造を委託することもできます。

化粧品の製造技術がない会社でも、オリジナルブランドをつくれます

「いつかは自分だけのオリジナルブランドをつくりたい!」という夢がある方も多いでしょう。しかし、化粧品製造には、業許可の取得や、莫大な設備投資、薬事法についての知識習得など、様々な壁が立ちはだかります。自分には無理だとあきらめている方もいると思います。ですが、化粧品OEM会社に委託すれば、開発から製造、パッケージのデザイン、販路開拓まですべて引き受けてくれますので、夢がかなう確率がずっと高くなります。「つくりたい商品はあるけれど、売れるかわからない」と心配する方のために、売れる化粧品にするための商品企画を提案してくれる会社もあります。

一部の製品だけ製造することも可能です

自社工場を所有していたとしても、一部の製品・ブランドだけOEM会社に委託することも可能です。実際に、製造ラインを持っている会社でもOEM会社を利用する例はよくあります。 自社工場といっても、すべての製品品目を製造できるわけではありません。また新商品の開発にあたり別の工場からの提案がほしいと考えるお客様もいます。万が一のために複数の工場とつながりを持っていたいという方もいるでしょう。その他にも、「コストを抑えられる」「工場内でトラブルが遭ったための緊急対応」「自社で保持していない技術を活用できる」などの理由でOEM会社に一部だけ製品製造を委託する会社があります。

マーケティング等にも対応しています

OEMというと製造受託というイメージですが、現代ではOEM会社も大きく進化しています。お客様の要望に応えて高品質の製品を製造することはもちろん、最新技術の開発から、高い品質管理、その上、販路開拓やマーケティングまでお手伝いします。たとえ理想の化粧品を製造したとしても、市場で全く反応がなければお客様の満足度は高くありません。お客様のこだわりを重視しながらも、市場で大きな反響を得るにはどうすれば良いか。市場マーケティング、情報調査を行い、マーケットの動向にマッチした魅力的な商品を提案致します。

● 化粧品OEMの仕組みについて

女性にとってもはや必需品といっても過言ではない化粧品。様々な化粧品がありますが、その多くがOEM会社によって製造されています。OEMとは、ブランドがメーカーに対して化粧品の製造を依頼すること。ですが、その説明だけではちょっと理解しにくいかもしれません。ここでは、普段なじみのないOEMの仕組みについて解説します。

受発注者・製造者・顧客の関係

化粧品OEMの発注者はエステサロン経営者や化粧品販売会社、化粧品メーカーとなります。受注者はOEM会社です。受注者であるOEM会社は、契約後、発注者の要望に応えるための化粧品を製造します。OEM会社にとっての顧客は、発注者であるサロンオーナーや化粧品販売会社となります。これらの企業は消費者(エンドユーザー)にOEMで製造した化粧品を販売します。また受発注者がともに共同開発するケースもあります。この場合、受発注者がともに製造者になります。

OEMとODMの違い

化粧品OEMについて調べていたら、ODMという言葉を見かけることもあると思います。発注者のブランドで製造することをOEMといいますが、ODMはOriginal Design Manufacturingの略。発注者のブランドで製品を設計・生産することを指します。OEMというと単純に製造するだけのイメージがありますが、最近のOEM会社は製造だけでなく、商品企画からマーケティング、販路開拓まで手広く手掛けています。そう考えると、ODMという言葉のほうがぴったりかもしれません。

外注・下請けとの違い

他社の商品を製造するとなれば、外注・下請けと同じではないか、と考える人もいると思います。例えば、A社がB社に製品の一部をつくってもらい、A社の製品として販売する。これが外注・下請けです。 対して、A社がC社の知名度、営業力、販売力を利用して製品を販売していたとします。製品はA社のものですが、ブランドはC社のもの。この場合、A社はC社にOEM供給していることになります。つまりA社は自社製品を販売するのに、C社のブランド力を活用しているわけです。

なぜ小ロットにも対応できるのか

自社工場であろうと、OEMであろうと、化粧品はある程度大ロットで製造したほうがコストパフォーマンスが高いです。しかし、OEM会社のなかには小ロット生産にも対応しているところがあります。なぜそんなことが可能なのでしょうか? 小ロット生産に対応しているOEM企業は手作り生産を行っています。社員が綿密な生産計画を立て、一つ一つの作業をハンドメイドで行っているのです。また複数の企業から受注しているため、仕入れた原材料をA社とB社で併用できます。このような仕組みがあるからこそ、小ロット生産にも対応できるのです。

● 化粧品OEMのメリットとは

成長し続ける化粧品OEM業界。OEM市場が拡大すると、かつて新規参入できなかった企業も新たなアイデア、コンセプトを持ち寄り、化粧品を製造販売できるようになります。その分、ブランド・商品数は増え、消費者は選択肢が増えます。消費者にとってうれしい化粧品のOEM市場の拡大ですが、企業にとって、化粧品製造をOEM会社に委託するメリットは何でしょうか。ここでは化粧品OEMのメリットについて説明します。

製造コストを抑えられる

OEM会社を利用する最大のメリットでしょう。自社で化粧品を製造しようと思ったら、研究開発費、設備投資費、人件費など莫大な投資費用がかかります。しかし、開発から製造まで一貫して委託することで、コストを削減。少ない投資で、自社のオリジナル化粧品を製造できます。

在庫を抱えるリスクが減らせる

OEM会社の多くは、多品種小ロット生産にも対応しています。もし自社で工場を設立した場合、原材料などを余すことなく使わなくてはならず、自ずと大量生産になってしまいます。大量生産をすると、在庫を抱えるリスクが一気に高まります。化粧品は販売してみないと、どのくらい売れるかわかりません。在庫リスクを下げるには、OEM会社の有効活用が求められます。

薬事法にも対応してもらえる

化粧品の製造・販売をするには、薬事法に準拠した、業許可の取得が必要です。OEM製造会社は、このような申請手続きまで一括で行ってくれますので、手続きを簡略化したい会社はOEM会社に委託した方が手間を省けます。 化粧品製造販売のハードルを大きく上げているのが薬事法です。化粧品を製造するには、薬事法を順守しなくてはならず、原料はもちろん、容器や資材のデザイン、販促物などの広告文、図表、成分表示などもすべてチェックしなくてはなりません。薬事法に違反していたことが、販売後に判明しましたら、回収リスクが発生しますので、専門家に任せたほうが安心です。

● 化粧品OEMのデメリットとは

「低リスクで化粧品を製造できる」「個人のサロンオーナーでもオリジナルブランドを立ち上げられる」などメリットの多い化粧品OEM。業許可の取得も不要で、安価に製造できますが、デメリットはないのでしょうか? OEM会社を利用した方のなかには、「品質にばらつきがあって困っている」「小ロット製造に対応してもらえなかった」「納期に対応できないと言われた」などと話す方もいます。ここでは化粧品OEMのデメリットについて解説します。

スケジュールや納品時期がOEM会社の都合でずれてしまう

OEM会社に一括で依頼しているため、製造スケジュールや現状を自社の社員は詳細に把握できません。またOEM会社が多忙な時期は、OEM会社の都合で販売時期などをずらさなくてはならないこともあります。しっかりとした事業計画を立てて、計画通りに進行できるよう、事前によく打ち合わせをしておきましょう。

技術面での他社との差別化が図れない

同じOEM会社に委託していたら、技術力・製造力は変わりません。そのため、技術面で他社と差別化を図ることが難しくなります。技術力で差を付けるのが困難ならば、アイデアで勝負するしかありません。しかし、斬新すぎるアイデアは、OEM会社も予算内に製造できるかわかりませんので、断られる可能性が高いです。

OEM会社の選択が、会社の存続を左右する

どのOEM会社を選定するか。この決定がお客様の会社の存続にも大きく関わっていきます。 OEM会社ごとに、実績、得意分野、製造ノウハウ、受注ロット、設備規模、品質管理、商品企画力、アフターフォローは大きく異なります。 もし自社が希望する製品を製造できないOEM会社を選択してしまったら、大きな損害を被る可能性があります。そのため事前にしっかりと調査することが重要です。 また契約当初は誠実だったOEM会社が、付き合いの深化や経営者の交替などで、その性質を大きく変えてしまうこともあります。依存度が高ければ高いほど、トラブルが発生したときのダメージは致命的です。そのため、OEM会社の選定には細心の注意を払いましょう。

● 化粧品OEMの提案~開発~販売の流れ

化粧品OEM会社は、ますます多様化・個性化するお客様の要望に応えるため、コンセプトの発案から包装資材のデザインまでトータルで対応してくれるところが多いです。 そんな化粧品OEMの問い合わせから製品化・販売に至るまでの流れをご説明します。

打ち合わせ、ヒアリング

初回の打ち合わせにて、スタッフがお客様の製品へのこだわりをヒアリングします。「しっとり感を出してほしい」「東洋っぽい雰囲気で」などといった漠然としたご要望でも対応できます。具体的なイメージが湧いていない場合は、研究・営業のプロがお客様のこだわりに合った売れる化粧品を提案します。ヒアリング内容をもとに、企画を立案します。

試作品の開発・評価

企画に合った処方(組み合わせや配合量)を選び、サンプルを作成します。もし使いたい原料がありましたら、お持ち込みいただければ使用致します(原料によっては、化粧品に配合できないものもあります)。作成後、お客様にはテクスチャー、安全性などを評価していただきます。会社によっては、社内の美容部員にモニタリングしてもらうこともできます。サンプルは、納得いただけるまで、試作と評価を繰り返します。試作は無料です。試作品が終了次第、次の工程に移ります。

仕様の検討

お客様の販売流通形態に沿って梱包方法を決定します。容器の形状、化粧箱の有無などについてもお客様と話し合い決めていきます。容器の支給もできますが、製品の品質に影響を与える場合は、お断りすることもあります。実際の試作容器をご確認いただき、ご納得いただけるまで、商品の仕様について検討を重ねます。

見積作成

決定した製品仕様をもとに見積もりを作成します。

契約、生産計画の立案、申請

仕様・見積もりともにご納得いただけましたら契約です。お客様の注文書より製品名、個数、希望納期を確認し、生産計画を立案します。また薬事法に基づき、都道府県に許認可申請を提出します。医薬部外品の場合、申請後、約6カ月の申請期間が必要になります。

資材製作

商品イメージに合った、ネーミング、パッケージ、ラベルデザイン・校正など、製品化に必要な資材を制作します。容器製作には、時間がかかりますので、早めの準備を推奨しています。エンドユーザーの購買意欲を促進する最適なデザインを見つけ出し、効果的な販促を提案します。

製造・品質検査

製造に必要な原料の所要量を計算・調達し、化粧品のバルクを製造します。作業記録に従って、原料を正確に配合していきます。トレーサビリティーも実施し、多品種・少量生産にも対応しています。ご要望がありましたら、工場での生産立ち会いも可能です。製造後、完成したバルクが品質基準を満たしているか、各種の物性検査および必要に応じて微生物検査等を行います。品質検査に合格したバルクのみ、容器に充填します。充填室は常に隔離され、清潔な環境を保持しています。

出荷・納品

充填された商品・箱にロット番号を刻印し、決められた仕様に包装します。品質管理部で最終製品のバルクや仕様の検査を行い、検査成績書を発行します。完成した商品はお客様のご指定の場所に一括でお届けします。ご希望がありましたら、分割納品や取引様への直送も可能です。納品後の販売戦略・リニューアルの提案や、想定外の出来事が発生したときもアフターケアとしてサポートさせていただきます。

アフターサポート

後は、発売日を待つのみです。近年は、販促支援に力を入れているOEM会社もあり、カタログ通販、TV通販、バラエティショップ、ドラッグストアなどの販路を紹介してくれたり、販促のためのコールセンターを自前で構えていたりします。また海外進出を支援するため、海外にてネット通販システムを構築していたり、海外ではどうしたら商品が売れるかアドバイスするマーケッターを雇い入れたりしている会社もあります。

● 化粧品OEMは、どんな業界? 抱える問題とは

自社で製造ラインを所有する一部の大手企業を除き、ほとんどの中小企業はOEM会社に化粧品の開発・製造を委託しています。一見、すべて自社で製造しているように見えますが、上場企業のなかにもOEM会社を活用しているところは多々あります。 化粧品OEM業界は、今後どのような方向へと進んでいくのでしょうか?

業界の現状

化粧品製造のアウトソーシングは、加速化しているのが現状です。各企業が製販を分離させ、製造は技術力に定評のあるOEM会社に任せ、自社では売上アップのために資源を集中させている傾向があります。またより高い付加価値を提供するため、販売支援に力を入れているOEM会社も増えています。

利益の上にあぐらをかき、研究開発を怠っている会社も

化粧品OEM業界は、業許可の取得、技術力の構築、工場等の設備保有などが必要なため、新規参入が難しく、数十年以上続いている会社が多くあります。その多くはより良い化粧品を消費者に提供するため、日夜研究・開発を続けていますが、なかには安定した利益の上にあぐらをかいてしまっている会社もあります。もちろん、そういった会社は少数であると信じていますが、会社選定には細心の注意を払うことをおすすめします。

小ロット生産の場合、バルクを小分けするだけの業者も

通常、化粧品製造のための最小釜は100ℓ。もし30㎖の美容液を製造しようと思ったら、3300本も製造しなくてはなりません。これでは製造費用もかかってしまいますし、もし売れ残りが発生したら、時代に沿わない商品を延々と棚に並べるはめになります。OEM製造会社のなかには、「小ロット生産対応」といいながら、一からのオリジナルブレンドではなく、既存のバルクを小分けしているだけの会社もあります。サロンなど小さな企業向けの処置なのでしょうが、これで本当にお客様は満足するのでしょうか。

● 国内では頭打ち状態の化粧品業界。生き残りには、たゆまぬ努力が必要

急成長を続ける化粧品OEM業界ですが、なかには大企業しか相手をしない、おざなりな仕事をする会社があることも事実です。また国内での化粧品需要は頭打ちの状態。異業種参入も増えており、化粧品業界は競争が激化しています。SNSや口コミサイトの普及により、消費者の目も肥えてきました。それに伴い、化粧品OEM業界も「本当に良い製品を製造できる会社」以外は淘汰される可能性があります。OEMといえども、ブランドメーカーと同様のマーケティング力や技術開発力、独自アイデアが求められている時代です。そのため、どんな企業であろうとも、常にお客様の声に耳を傾け、時代に合った化粧品を製造するためのたゆまぬ努力と研究開発、情報収集を続ける必要があります。

●化粧品OEMのよくある質問

どのくらいの期間で製品化できますか?

原材料・処方によっては、試作品は最短2週間で完成します。原料が在庫にあれば、最長3週間で作成できます。 処方決定後は安定性確認のため3カ月ほど必要になります。 ただしすべての商品がオーダーメードになるため、かかる期間はあくまでも目安です。

初めての化粧品開発・製造ですが引き受けてもらえますか?

初めて化粧品を製造する方からの依頼も多く受け付けております。OEM会社は、商品の企画や研究・開発、市場マーケティング、容器・パッケージデザインまで、トータルでサポートしていますので、初心者の方でも安心して依頼できます。

OEM事業を開始するには、どのような許可が必要ですか?

OEM事業を運営するには、化粧品製造販売業許可が必要です。化粧品製造販売業許可がない場合は、OEM会社に委託して化粧品を製造する必要があります。

OEM以外で化粧品開発を行う方法はありますか?

化粧品製造販売業許可を取得して、自社工場を立ち上げるしか方法はありません。不可能ではありませんが、業許可取得費、人件費、工場・設備費など多額の投資が必要になります。また工場を設立しても、化粧品に関する知識・ノウハウ、最先端の技術がなければ、売れる化粧品は製造できません。コストパフォーマンスを考えたうえでも、OEM会社のご利用をおすすめします。

● 化粧品を製造したい方にとって、OEM会社は強い味方

OEM会社を利用すれば、技術や知識がなくても、化粧品、基礎化粧品、ヘアケア製品、フレグランス、医薬部外品など様々な製品を製造することができます。またOEM会社は今や製造だけでなく販売ノウハウも有しています。相談すれば、マーケティング、リサーチ、商品企画、販路開拓まで手伝ってくれるのです。オリジナル化粧品を製造したい方々にとってこんなに心強いことはありません。もし自分だけの化粧品を製造・販売したいと考えていましたら、ぜひOEM会社をご利用ください!