輸入販売を始める前に取得するべきもの
化粧品を製造または輸入して販売しようとする場合は届け出の他にも、薬事法に基づいて化粧品の製造業または製造販売業の業許可を取得しなければなりません。ちょっとややこしいですが「製造業」と「製造販売業」は別の業許可で、必要であればその両方を取得しなければならないということは注意してください。ここでは化粧品の輸入販売業で必要になるこの2つの許可の取得方法をご紹介します。
日本国内で流通させるための許可『化粧品製造販売業許可』
化粧品製造販売業許可は、「事業者」が取得します。社内に総括製造販売責任者、品質保証責任者、安全管理責任者を常勤で配置しなくてはいけません。化粧品製造販売業の総括製造販売責任者は学歴・資格が必要となります。要件を満たす方が社内にいない場合は、新たに雇い入れる必要があります。また品質保証部門の責任者である「品質保証責任者」、安全管理業務の責任者である「安全管理責任者」も配置する必要があります。
化粧品の製造行為を行うための許可『化粧品製造業許可』
製造場所ごとに事業者が申請し、化粧品製造業許可を取得します。2つ以上の製造所・作業所・保管所などがある場合は、それぞれについて化粧品製造業許可を取得することになります。化粧品製造業には、「一般」区分と、包装・表示・保管のみ(またはこのうちのいずれか)を行う「包装・表示・保管」区分があります。化粧品製造工程の一部のみを行ったりする場所にも、化粧品製造業許可[一般]は必要です。
業許可の注意点
「市場に出荷できる」(最終合格品)と判定される前の化粧品を「保管」、化粧品の容器などにラベルを貼る、化粧品を包装する行為なども、化粧品製造工程の一部とされ、化粧品製造業許可[包装・表示・保管]が必要になるということです。たとえば、輸入して税関を通過した化粧品を一時的に「保管」する場所には、化粧品製造業許可[包装・表示・保管]が必要です。
日本において化粧品を製造または輸入し市場で販売するためには、上記の業許可を必要とします。また、扱う化粧品の届出は、「化粧品製造販売」をしようとする者が申請し、あらかじめ品目ごとに承認届出を受けなければなりません。各種細かい規制がありますので、化粧品の製造や販売を考えている方は、注意しましょう。知らないまま事業を行っていると罰則がありますので、必ず守る様にしてください。